背景
インドが各国と締結している社会保障協定(SSA)に基づき、多くの出向者についてはPF(従業員積立基金)の加入義務が免除されています。一方、当該免除の対象とならない外国人従業員(International Workers:IW)は、インドでの雇用終了時に積立済みのPFの払戻しを受けることが可能です。
日本との関係では、2016年の日印社会保障協定の発効以前は加入義務が免除されていなかったため、出向者はPFへの加入が義務付けられていましたが、当該期間に積み立てられたPFについては同協定発行以降、還付請求の対象となっています。
しかしながら、PFの還付申請時には多くのIWが既に帰国しているため、インド国内の銀行口座を保有していないことから、払戻金を海外銀行口座へ送金する必要があります。
この点、従来はForm 15CA・15CBの提出等の手続負担に加え、還付先口座の取扱いが明確でなかったことから、還付手続が進まないケースが多く存在していました。
労働雇用省による明確化
労働雇用省は、従業員積立基金機構(EPFO)を通じて、2026年3月18日付通達(Circular No. IWD/Payment to IW/Japan/2025/E1020722)により、海外銀行口座への支払に関して、以下の点を明確化しました。
- 海外送金の対象者
インドと有効なSSAを締結している国のIWについて、海外銀行口座への送金が可能 - 銀行口座の選択
払戻金は、IWの選択により、海外銀行口座またはインド国内銀行口座のいずれにも振込可能 - 海外銀行口座の確認
銀行明細書または通帳の写しを提出し、雇用主またはSSAにおける「権限機関」による認証を付すことにより完了 - 海外送金手続
Form 15CAおよび15CBの提出ならびに必要に応じた源泉徴収は、EPFOが実施
<通達>以下のURLから入手ください。
https://www.epfindia.gov.in/site_docs/PDFs/Circulars/Y2025-2026/Circular_PaymentForeignBankAccount_IWsWithAnnexure_18032026.pdf
企業およびIWに求められる対応
PF払戻申請に際し、以下の書類の提出が必要です。
- Form A-2
- FD-SWIFT-103
これらの書類に記入のうえ、払戻金の振込先となる海外銀行口座の明細書または通帳の写し(雇用主または権限機関による認証済み)とともに提出することが求められます。
AsiaWise ProfessionalsではPFの還付手続きのサポートを行っております。PF還付手続きに関しまして、お気軽にお問い合わせください。