ご相談背景
アジア地域(インド・中国・台湾・ASEAN等)に複数の子会社を有する日系グローバル企業における本社監査部門において、海外拠点に対する内部監査について、以下のような課題が顕在化していました。
・各国での言語・文化的な障壁により、形式的な内部監査となっていた
・現地法人ごとのコンプライアンス意識や内部統制の水準にバラつきがあり、監査部門担当者側でもその判断が統一されず、属人化していた。
・不正リスクが識別された拠点に対して、実効的な監査が実施できていなかった。
上記のような課題に対応するための本社内部監査部門の人的リソース・ノウハウが不足しており、外部の専門家による支援を検討していました。
実際に対応した内容
中国拠点に対する内部監査を本社監査部門と連携して支援しました。まず、グループ全体のリスクとガバナンス方針に基づく標準監査手続書を整備し、それをベースに中国固有のリスクを反映した専用の監査手続書を策定しました。現地往査にも同行し、必要に応じて現地専門家(会計士・弁護士等)の助言を得ながら、実効性ある監査を実施し、監査で検出された事項については、現地で改善すべき論点とグループ全体で対応すべき論点を整理し、監査報告書の作成まで一貫して対応しました。
対応成果
本支援により、属人性があり形式的だった海外拠点に対する内部監査が、実効性あるプロセスへと転換され、監査結果は現地・全社双方での具体的な改善アクションに結びつきました。監査アプローチの体系化と現地適用モデルの確立により他拠点展開の基盤が整い、中国以外のアジア拠点では専門家の関与をリモート支援で代替可能となり、本社監査部門のスキル向上にも寄与しました。
今後の展望とまとめ
本事例のように、海外拠点に対する内部監査の実施においては、監査リソースの制約を始めとして、言語・文化・商習慣の違いやリスク特性の多様性など、様々な課題に直面することが少なくありません。
弊所では、海外拠点監査に関する豊富な実務経験を有するメンバーを中心として、各国の法規制*や事業環境に応じた専門家を適切に配置し、貴社の海外拠点監査を支援いたします。
*法務に関する助言・サービスについては弊Group firmであるAsiaWise法律事務所から提供いたします。